音声教育の変遷
僕は若い頃ですが、オーストラリアのシドニーに少しホームステイしていたことがあります。語学学校にも少し通っていて、当時の先生から言われました。
君の英語は平たくて抑揚がないからよく分からん
と。(泣)
仕方がありません。当時は発音記号も知らない、内容語・機能語の考えも知らない、音声変化も知らない、ないない尽くしでした。よう生き残れたな、と思います。見方を変えると、英語の音声面での学習(発音記号、内容語・機能語、音声変化)しないと、当然日本語訛の強い英語になってしまい、結果平坦なものになってしまいます。日本語はもちろんピッチアクセントがありますが、英語ほど大胆なものではありません。例えば、日本語覚えたての外国人が、
ワタ―シヮ、アメ〜リカ、シュッシン、デェ〜ス。(私はアメリカ出身です。)
となってしまうことは聞いたことあるかと思います。字面は日本語なのですが、発音が完全に英語訛になっているので、僕ら日本語ネイティブにとってはチト聞きにくい印象はあります。(それでも一生懸命日本語を話してくれる姿勢は素晴らしいことです)なので、少しでも自然なリズムで相手にとって聞き取りやすい発音を目指すべきだと僕は考えます。
実は発音に関しては様々な議論があり、今現在も日本人にとって共通の見解は得られていない様子です。少しづつ発音の書籍は増えてきたし、動画などでも発音を扱うことが増えたな、という印象です。日本語訛のサムライイングリッシュでOKという声が大きいのも事実ですし、僕は否定するつもりもないので、フロイト派・ユング派のような宗派のようなものだと思っています。
だんだんと時代は変わってきています。昔は学ぶ側も先生側もネットがない時代は音声へのアクセスが不便だったせいで音声教育が軽視されていたのだと思います。そういう意味では自分も被害者だったので、シドニーで英語の発音を指摘されました。今は生の英語音声へのアクセスが容易になったので、教える側も発音も達者な方が多く、発音を扱うことが多いのかなと思います。
抑揚の正体
英語で大きな抑揚が生まれてしまう原因は、ずばり
- 内容語・機能語
が殆どです。
伝えたい内容の重点は何なのか?それを見極められるようになると、声量の大小は自然と発生するものです。基本そういう意識でおればよいのですが、その見極めが大変です。例文で見ていきましょう。
He works in an office.
という例文を、ちょいイジってみます。まずはレベル1
He works in an office.(worksとofficeが内容語で強調、それ以外は機能語)
そしてさらにレベル2
He works in an office.(worksとofficeのアクセント箇所と口の形を強調のためwも強調)
ダメ押しでレベル3
e works ina office.(Heの機能語も弱形の音に変化させ、in anも連結かつ弱形に)
こうしたビジュアルでもなんとなく抑揚が分かるのではないでしょうか。表記すると大体このようになるかと思いますが、これでもネイティブや専門家に言わせたら足りない、もしくは正しくないのかも知れません。純ジャパがレベル3まで出来れば僕は文句なし上等と考えています。というのも、ここまでくるにも、
- 機能語・内容語
- アクセントの位置
- 音声変化
と、英語発音のまとめでお知らせしている内容全てが網羅されているからです。なのでネイティブっぽい抑揚まで真似るのは、最終的な目標でもあるのでなかなか大変でもあります。これでも完璧ではないですが、純ジャパであればレベル1の内容語・機能語が見極められるようになれば大体OKだと思ってください。もちろん余裕があればレベル3まで目指すのも全然アリですし、その意識はもっていて損にはならないと思います。
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