ケフカがガストラ皇帝に命じられてフィガロにやってきます。ここでは俗に言う「of+抽象名詞」なる表現があります。学生当時、この「of+抽象名詞」という表現がキライで全く意味も分かりませんで、理解しようとする気も失われた気がします。どうしてこうもムツカシイ言葉で説明しようとするのでしょうか。もっと違った言葉で説明するべきだと思います。

それを受けたエドガーのセリフがこちら↓ このようにwouldn’tやwouldが頻繁に出てくると直感で理解するのが難しくなります。付加疑問文とか言われますが、wouldn’tとwouldがセットになって湧き出る感情に注目したいところです。

それを受けたケフカのセリフがこちら↓このminor valueに注目です。本当はティナは重要人物なのですが(でないと捜索にこない)minor valueということで、ことの重要性を隠そうとしている表現です。皮肉ともまた違う思惑が読み取れると面白いですね。

🗨️ セリフ全体
K: A girl of no importance recently escaped from us. We heard she found refuge here.
E: This wouldn’t have to do with that “witch” everyone’s been whispering about, would it?
K: Lies! She merely stole something of minor value. Is she here?
🔹1️⃣ A girl of no importance recently escaped from us.
直訳
「取るに足らない女が、最近われわれから逃げ出した。」
解説
- a girl of no importance 「重要でない女」=「取るに足らない女」 → 侮蔑的な言い方。あえて「no importance」と言うことで、 「本当は重要人物だが、それを隠している」ニュアンスが出ています。
- escaped from us 「我々から逃げた」=「脱走した」 → “from us” があることで、捕らえていた立場を暗に示しています。
🔹2️⃣ We heard she found refuge here.
直訳
「彼女がここに避難したと聞いている。」
解説
- found refuge 「避難場所を見つけた」「身を隠した」 → “refuge” は「避難」「保護」という名詞。 この表現で、「逃げ込んだ」という丁寧かつ少し宗教的な響きになります。
🔹3️⃣ This wouldn’t have to do with that “witch” everyone’s been whispering about, would it?
直訳
「みんながひそひそ話している“魔女”とやらとは関係ない、…よな?」
解説
- This wouldn’t have to do with … , would it? → 「~と関係あるわけじゃないだろう?」という疑い+皮肉の表現。
- wouldn’t have to do with = “have to do with” は「~と関係がある」
- 否定+付加疑問で、「否定しながら探りを入れる」言い方です。
- everyone’s been whispering about 「みんなが噂している」 → “whisper about” は「こっそり話す」「噂する」。
- that “witch” は、彼らが恐れている魔力を持つ少女=ティナ。
この文全体で、疑っているが、まだ断定せず探りを入れている調子になります。
🔹4️⃣ Lies! She merely stole something of minor value. Is she here?
直訳
「嘘だ!彼女はちょっとしたものを盗んだだけだ!ここにいるのか?」
解説
- Lies! 「嘘だ!」 → 単語だけで強い否定の叫び。軍人らしい短く強い言い回し。
- merely 「単に」「ただ~にすぎない」 → just より少しフォーマルで、言い訳やごまかしのトーンになります。
- something of minor value 「さほど価値のないもの」 → “minor value” は「重要でない価値」「取るに足らないもの」。 → 実際にはティナは帝国の実験体=極めて重要人物なので、 ここでは明らかにごまかしていることが伝わります。
- Is she here? 「彼女はここにいるのか?」 → 直接的で命令的。尋問口調です。
🧩 全体の自然な訳
取るに足らない女が最近逃げ出してな。どうもこの辺りに身を隠したらしい。
みんなが“魔女”だの何だのと噂してるあの女とは関係ない…よな?
嘘をつくな!彼女はちょっとした物を盗んだだけだ!ここにいるのか?
💬 ニュアンスまとめ
- 兵士が「ただの脱走者」だとごまかしている。
- 「witch(魔女)」という呼び方で、ティナの魔法の力に対する恐れが伝わる。
- 文体は非常に「中世ファンタジー風」で、 refuge, whispering, merely といった古風な語彙が使われています。

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